✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

私でいる責任

メモ。「私には考える時間がある。それこそ大きな、いや最大のぜいたくというものだ。私には存在する時間がある。だから私には巨大な責任がある。私に残された生が何年であろうと、時間を上手に使い、力のかぎりをつくして生きることだ。これは私を不安にさ…

「冷笑ではなく希望を 怒りではなく喜びを」

メモ。「冷笑は、何よりもまず自分をアピールするスタイルの一種だ。冷笑家は、自分が愚かではないことと、騙されにくいことを、何よりも誇りにしている。(…)冷笑家は、失望した理想主義者だったり、非現実的な評価基準の支持者だったりすることが多い。彼…

「人之初,性本善」

メモ。「……例え真逆のことが真実に見える時でも、私はその言葉を心から信じています。私はいつでも、自分が訪れた世界の全ての場所で出会った人々の中に善良さを見つけています。 信じるものを持ち、善良さを自分の中に繋ぎとめる勇気、お互いの中に繋ぎとめ…

まじめに練習する日々

メモ。 「自伝や回顧録なら、ひとつ自分の声だけで書くということもある。ただし、自伝や回想録に出てくる人がみんな、作者のしゃべってほしいことばかり話しているなら、読者に聞こえてくるのは作者のおしゃべりだけだ――際限も説得力もないひとり語りである…

「日本人」というカテゴリー

メモ。 「私には複数のアイデンティティなどありません。ただ一つのアイデンティティしかないのです。このアイデンティティはさまざまな要素から成り立っているのですが、ただ、その〈配分〉が人ごとにまったく異なるのです。 ところが、私という人間の成り…

選挙と家族

「河畔で出会った人びととの無駄話」や、「編み物」「子供の世話」や「食事の準備」をする女たちを横目に「釣り竿を握って、コルクの浮きが水面で揺れ動くのを監視することで時間を浪費したくなかった」ディディエ・エリボンは、「この種の暇つぶし」を嫌悪…