✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

未来との「関係」を更新する

メモ。「未来が、肯定的なものであるか、否定的なものであるか、という議論はむかしからあった。また、肯定的な世界のイメージや、否定的な世界のイメージを、未来のかたちをとって表現した文学作品も多かった。しかしぼくは、そのいずれもとらなかった。は…

「わたしが間に合わなかった時代」に招き寄せられる

メモ。「それはわたしが間に合わなかった時代だが、その時代は絶えずわたしを招いている」(鍾文音) 昨年の今ごろ、楊翠著『少数者は語る』の書評を書く機会に恵まれた。 「家」をめぐる独自で多彩な世界 - 温聲提示 冒頭で引用した鍾文音の言葉はこの本で…

「自分と自分が大事にするものの居場所」のために

メモ。「刻一刻と光は姿を変え、数えようのない青の色みを見せながら空は遠ざかってゆく。そして太陽が去ってゆく先にまた別の色が生まれようとしている。ほんの一時目を離せば見逃してしまうほどに目覚ましく姿を変える、名指す言葉のない色たち。時として…

私には、彼を選ばないという選択肢さえなかった

メモ。「世界規模で踏み込んで来る人々のわたしたちを動揺させる圧力・圧迫にいかに対処すべきか(…)その圧力によってわたしたちは、自分たちの文化・言語に狂信的にしがみつくいっぽうで、他の文化・言語は退ける。時代の流行に沿ってわたしたちを鼻持ちなら…