✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

繼續讀書,繼續思考!

いまだ読了叶わぬ愛読書が、まだこんなに。新たな必読書かつ愛読書となる予感の本も、続々と。2024年も、文読む月日重ねるよ🐢

百年の「日本語」

メモ。「私が育った戦後日本の社会では、こうした「〈外地〉の日本語文学」とでも呼ぶべき作品群がかつてあったこと自体が、ほとんど忘れ去られていた。戦後早い時期のうちには、故意に忘れようとするところもあったかもしれないが、放置が続けば、社会は本…

「失望」に抗うための、アイデンティティーを。

メモ。「名乗り、名指しをめぐる相互作用を読み解いていく作業は、今日の東アジアを生きる人びとが日本帝国崩壊後の東アジア内の「移民」に対して、無意識のうちに寄せた期待を解きほぐし、「失望」へと至らないためにも必要な作業なのである」(岡野翔太・…

「あるがまま」という領域から始まる思索

メモ。「僕が形作るのは、個々の性格ではなく、それよりも人間間の不思議な力学の場、そして状況、雰囲気によって、その場で何が起こるのかだ」(ヨン・フォッセ) 白水社から刊行されたばかりのヨン・フォッセの戯曲。初の邦訳。普段、戯曲をほとんど読まな…

「敗け」という「始まり」の地点を問い直す

メモ。「日本敗戦の過程を、複数の〈始まり〉の可能性を折り畳んだ時間として読み直すこと。それは(…)帝国日本の敗戦が誰にとっての・いかなる敗北だったのかを再審する作業を通じて、一九四五年八月十五日を起源とする『建国神話』それ自体を脱構築するこ…