✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

趙文欣展「Did you see the cat?」について

メモ。「趙文欣さんの作品には共通して、『視点』への強い意識があると思う。現実を静かに観察するための、対象との角度と距離が重要なようだ。本作は、監視カメラから見た映像を模して作られていて、『視点』そのものが作品化しているようでもあった」(服部一成

先日、第25回グラフィック「1_WALL」のグランプリを受賞した趙文欣さんの個展が行われているガーディア・ガーデンに行ってきました。

www.tokyoartbeat.com

趙さんは4月から『世界』で始まった「日本語の何処かへ」のイラストを描いてくださっています。

wenyuju.hatenablog.com

『世界』の担当編集者さんと一緒に、ご多忙極まりないはずのなか連載のイラストをお引き受けくださったお礼もできたらいいなと思って銀座に出かけたところ、「現実を静かに観察するための、対象との角度と距離」(服部一成)が高く評価された趙文欣さんの世界観にすっかり魅了されました…ガーディアン・ガーデンでの趙さんの個展は5/13までとのこと!


まなざしとは距離である。趙さんの「視点」に対する鋭い意識としなやかな感性にあやかって、私もまた、自分のなかで渦巻く無数の素材と向き合う上で、それらを小説(や「日本語のなかの何処かへ」をはじめとする、小説を書くためには書かないでいられないエッセイ)として「成立」させるための適切な角度と距離を模索することをますます楽しみたい🌈