✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

ミサイルより、こわい。

Netflixドラマ『ナルコの神』で牧師(と麻薬王)を演じたファン・ジョンミン主演のスパイ映画『工作 黒金星と呼ばれた男』。1990年代にあった実話を基にした映画だという。

映画『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(監督ユン・ジョンビン、主演ファン・ジョンミン)

主要キャストの顔ぶれに心惹かれて、とりあえず、と思って再生してみたら、のっけから強く引き込まれ、ストーリーそのものも刺激的なのだけれど、それぞれの役を演じるオジサンたち一人一人が、それぞれにたまらなく良い味を醸し出してて、(とりわけ北朝鮮国家安全保衛部の課長を演じるチュ・ジフンの軍服姿は、リ・ジョンヒョク演じたヒョンビンがそうであるように「だめだよ、こんなカッコいいひとにこんな格好させたら軍が美化されてしまう」と思いながらもため息が出るほど美しく)、どうなるんだろう、どんなるんだろうと、最後まで猛烈に面白かったし、最後の最後でぽろっと泣いた。昨日になってどうしてだか(どうしてもこうしてもないんだけど)、この映画のことを何度も考えていた。

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映画では、〈北の脅威〉を巧みに利用する韓国の国会議員の姿も赤裸々に……目的はむろん、自分たちの選挙を有利に進めるため。ミサイル怖い? そっちの方がずっと怖い。