✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

幸せでありたい。

ここ数日、いや数週間、数ヶ月、亀の速度で読み、書いてきた私にしては、かなりめまぐるしく、自分の本がまとまりつつある流れのなかで過ごしてきた。きょう、やっとひと息つく心地。それで、気になっていた一冊を、自分へのご褒美みたいな気分で機嫌良く購入。シャン・フランソワ・ビレテールの『北京での出会い もうひとりのオーレリア』(みすず書房、2022)。

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この帯文に、たちまち撃ち抜かれた。「幸福を思い出すためには、幸せでなくてはいけない」。ああ、だから私はいつまでも「幸せでありたい」のか…!翻訳なさったのは、笠間直穂子さん。本格的に読み始める前から、このもともとは2冊であるフランス語で書かれた本が、笠間さんの日本語で読める幸福を噛み締めておきたくなる。

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寒い冬の夜、あたたかい布団にくるまって寝そべりながら、たいせつに、頁を捲りたい。

 

今日の源:シャン・フランソワ・ビレテール著、笠間直穂子訳『北京での出会い もうひとりのオーレリア』(みすず書房、2023)