✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

憎しみに、抗いたい

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エムケは書く。「憎しみの対象は、恣意的に作り出される。憎むのに都合よく」。であるからこそ、「世間の基準から外れていても幸せな生き方と愛し方の物語を語ることもまた、排斥と憎しみに抗う戦術のひとつなのだ。不幸と蔑視のあらゆる物語とは別の次元で、誰にでも幸せになる可能性があり、誰にでもそれを望む権利があることを示すために」。

今日の源:カロリン・エムケ著、浅井晶子訳『憎しみに抗って 不純なものへの賛歌』(みすず書房、2018)