✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小説のように

今日は中村和恵さんの『日本語に生まれて 世界の本屋さんで考えたこと』(岩波書店、2013)を、読んでいた。曰く「日本語でわたしたちは残念ながら、日本以外の国の人々に語りかけることがほとんどできない。異なる言語で語りかけなくてはならない。翻訳され…

よりよい〈潜在的な現実〉を、〈今〉や〈ここ〉に手繰り寄せるために……

メモ。「現実とは〈本当のこと〉ではない。それは現時点においては最有力な〈フィクション〉である、というにすぎない。そしてフィクションとはただの〈嘘〉ではないし〈つくりごと〉ではない。それは、潜在的な現実なのだ。だから強いフィクションは、現実…

「残念だけど、この国にはまだこの歌が必要だ」

最近、あるささやかなエッセイ「創作の中で煌めく〈真実〉」を書いた(もうじき発売の「新潮120周年記念特大号」に載る予定です)。 最近、ある大きな大きな場所の片隅で好きなあの歌を聴いた(まさか、また聴けるとは思わず涙した)。 120年前からずっと、…