✍温聲筆記✍

温又柔が、こんな本を読んでいる、こんな文章に感銘を受けた、と記すためのブログ

50年の「異常」と「正常」

メモ。

◉1895 光緒21年 4月17日、清国の代表李鴻章と日本の代表伊藤博文が春帆楼で下関条約(馬関条約)を調印。清国は朝鮮の独立を承認し、遼東半島、台湾、澎湖諸島を日本に割譲

◉1945 昭和20年 8月14日、日本政府、米、英などに「ポツダム宣言」の受諾を通告。翌15日、日本天皇が放送で戦争終結詔書を公表

◉1972 民国61年 7月7日、田中角栄が日本の総理大臣に就任した。それからすぐの8月3日、田中は中国の周恩来総理の招きを受け入れ、9月25日に北京を訪問した。9月29日、中国と日本は北京で国交正常化に当たって、日本政府は中華人民共和国を中国の唯一の合法政府と認め、中国の「台湾は中華人民共和国の領土の不可分の一部である」という主張に対しては「十分に理解し尊重する」という立場を表明した。日本政府は同時に台湾との外交関係を停止し、「日台平和条約」は終了したと宣言した。

きょう日中国交正常化50年。ということは日本と台湾の外交関係が停止してから50年。台湾が日本の統治下に置かれていた年月を上回る(日台が「断交」した時間が)。国と国の関係においては、何が「正常」で「異常」なのか。つい考え込んでしまう。「台中関係の推移は、日本にとっても、東アジアにとっても、ひいては世界的にも大きなインパクトを与える問題だからである」(横澤泰夫)

参考:呉密察/監修、遠流台湾館/編著、日本語版編訳/横澤泰夫『増補改訂版台湾史小事典』(中国書店、2010)50